味わいの違いを楽しめる、3本の日本酒
福島県の蔵元〈仁井田本家〉さんから、味わいの違いをくらべて楽しむ日本酒のセットをお届けします。今回は、この季節限定の夏らしい日本酒3本を、仁井田本家さんと坂ノ途中でセレクトしました。軽やかな味わいで暑い季節にも飲みやすい生酒、さっぱりとした夏のお料理によく合うにごりのお酒、甘さ控えめで爽やかな純米吟醸。父の日や初夏の贈り物にもおすすめです。
仁井田本家さんの日本酒には2つのシリーズがあります。ひとつは、生もと・蔵付きの天然酵母仕込みで、仁井田本家さんにしか造れない個性的な味わいの<しぜんしゅ>シリーズ。もうひとつは、清酒酵母仕込みで食事にもあわせやすい<おだやか>シリーズです。
今回は、<しぜんしゅ>シリーズから「めろん3.33」と「なつゆき」、<おだやか>シリーズから「夏の純米吟醸」の計3本を選びました。それぞれ違いがはっきり出ていて、くらべて面白いセットになりました。どれもこの時期にしかお届けできない、期間限定のお酒です。この機会に味わってみてくださいね。
セットの内容
飲み比べるときにおすすめの順番で、詳しくご紹介します。
|1|しぜんしゅ めろん3.33
純米吟醸の生酒。<しぜんしゅ>シリーズの純米吟醸で生の原酒が味わえるのはこれだけ、という貴重なお酒です。<しぜんしゅ>は、培養された酵母を使うのではなく、蔵に住む天然酵母の力で仕込むお酒。自然の力に任せることで、その年ごとに味わいの変化があるのが醍醐味です。
発売当初は、いまとは違い培養酵母を使用し、名前のとおりメロンのような風味を特徴としていたのですが、4年前から蔵の天然酵母に委ねた仕込みに変えたことで、メロンらしくなる年もあれば、ならない年も。そこが面白く、毎年楽しみにしているお客様の間では「今年はめろんか否か?」の話題で持ちきりになるそうです。今年の出来は果たして……? 実際に飲んで確かめてみていただきたいです。
<しぜんしゅ>はお米の旨味を引き出すことで、甘味をしっかり感じられるものが多いなか、このお酒は甘さは控えめで、夏に飲みやすい軽やかな味わい。試していただきたいのは生ハムとのペアリング。メロンがなくても「生ハムメロン」の雰囲気を楽しめます。さっぱりした味わいなので、ピクルスや漬物、カルパッチョやマリネなど、酸味のある味わいのお料理ともよくあいます。
名前の「3.33」というのは仕込みの方法にちなんで名づけられています。通常日本酒は「三段仕込み」といって、3回に分けて、水や蒸米などの原料を加えて仕込まれますが、<しぜんしゅ>は仁井田本家さん独自の「汲み出し四段」という製法を用いて、お米の甘みと旨味をしっかり引き出しているのが特徴です。この「めろん3.33」は、四段目の仕込みに使用する蒸米の量を通常の1/3に減らして仕込み、定番のものより甘さを控えめにしたもの。三段+1/3(=0.33)段ということで、「3.33」と名づけられました。
|2|しぜんしゅ なつゆき
<しぜんしゅ>シリーズからもう1本は、6月上旬完成の「なつゆき」。瓶内二次発酵で発生するガスによってシュワシュワと炭酸のような飲み心地に。低アルコールで飲みやすいうえに、甘さ控えめで酸味もあるので、暑い夏にぴったりのお酒です。
「めろん3.33」と同じ自然栽培米を原料にしていますが、精米歩合が85%と低く、にごりもあって、火入れをしている、という造り方の違いから、全く別の味わいになっていて、飲みくらべるとよく違いが分かります。
「なつゆき」が完成して出荷できるようになるのは6月上旬から。実は、販売を開始する5月の時点では、まだ最終的にどんな味わいになるかを知る人はいません。試飲させていただいたのはサンプルとして火入れをして用意していただいたものですが、「なつゆき」の特徴であるシュワシュワとした飲み口が心地よく、発酵由来の爽やかな酸味があり、夏らしさを感じました。完成したものは、香りがより綺麗に感じられるそうです。どんな仕上がりになっているかとても楽しみです。お酒単体でも楽しめますが、一緒にあわせるなら、出し巻き玉子やえびしんじょうのあんかけなど、お出汁のきいたお料理がおすすめです。
※ご注意※
炭酸飲料を扱うように、振らずにそっと開栓してください。開封時に栓が勢いよく飛ぶ恐れがございますので、十分ご注意下さい。
|3|おだやか 夏の純米吟醸
蔵に住む天然酵母ではなく、培養された清酒酵母をつかって仕込まれる<おだやか>シリーズからは、「夏の純米吟醸」をセレクトしました。中汲みの一番おいしいところだけを瓶詰めした、旨味たっぷりの贅沢なお酒。夏は軽やかなお酒が多いなか、パンチの効いたしっかり濃い味わいに。それを表現するため、瓶のラベルには「パンチ」が描かれています。
今年のお酒は、図らずも例年とは一味違う特別な仕上がりになりました。泡の出ない培養酵母で仕込んでいたはずが、どこかで蔵付天然酵母が入り込み、発酵中に本来は出ないはずの泡がたくさん発生する高泡(たかあわ)の現象が発生したのです。酒蔵では、慌ててタンクから溢れそうになった泡を消して対応したのだそう。ガス感のある今年の味わいは、狙ってつくったわけではないため、最初で最後になるかもしれません。この機会に味わってみてください。
しっかり旨味を感じるのですが、甘さは控えめでとても爽やか! 炭酸水のような、ラムネのような飲み心地で、飲んでいて夏を感じる味わいです。氷を浮かべて飲むのもおすすめ。チーズのドレッシングをかけたシーザーサラダ、酸味のきいたタコのマリネ、冷しゃぶなど、さっぱりした夏のお料理との相性は抜群。仁井田本家の内藤さんのおすすめは、きゅうりやなすなどの夏野菜をだし醤油で和えた山形の郷土料理「だし」をかけた豆腐とのペアリング。夏の暑い日の食事を楽しませてくれますよ。
商品詳細
■しぜんしゅ めろん3.33
・品目 日本酒
・内容量 720ml
・アルコール分 15度
・精米歩合 60%
■しぜんしゅ なつゆき
・品目 日本酒
・内容量 720ml
・アルコール分 15.5度
・精米歩合 85%
■おだやか 夏の純米吟醸
・品目 日本酒
・内容量 720ml
・アルコール分 15度
・精米歩合 60%