葉っぱも玉ねぎも。欲張ってたのしむ、葉つき玉ねぎ
春の訪れを知らせてくれるお野菜といえば、みずみずしい新玉ねぎ。けれど、それよりもっと早く収穫される玉ねぎがあります。春がまだまだ待ち遠しい、1月中旬ごろから収穫がはじまる、葉つき玉ねぎです。
普段お届けしている玉ねぎは、葉の根元部分・鱗茎(りんけい)がだんだんふくらんで丸い玉になったもの。葉っぱが枯れてきたら収穫し、葉の部分は切り落として出荷されます。葉つき玉ねぎは、それよりもう少し早く、根元がふくらみ始めた頃に収穫し、青々とした葉っぱがついたままお届けします。
根元の玉ねぎ部分は、みずみずしくて甘く、とてもやわらかいのが特長です。水にさらさなくても辛みを感じにくいので、スライスしてそのまま生で食べるのがおすすめです。葉の部分は火を通すと、とろっと濃厚な甘みと旨みが楽しめます。見た目は、葉ネギそっくり。すき焼きに入れたり、お味噌汁やスープに使うと、お出汁がしっかり出ておいしいですよ。
兵庫県淡路島の西海岸に位置する五色地域で育った葉つき玉ねぎ。1年でこの時期、1~2月ごろだけのお楽しみです。
つくり手のこと
島の西側、五色地域は、移住して新規就農した人や有機農業に取り組む生産者さんが多いエリア。そのうちの一軒、島ノ環ファームの三崎雄太さん、咲さんご夫妻を訪ねました。
海と山に囲まれた集落に、植えたばかりの玉ねぎ畑が広がります。その一角には鶏舎が2棟。咲さんは農業学校時代からあこがれていた、有畜複合農業(畜産と農業を複合的に行うスタイルの農業)をいつかやってみたいと考え、雄太さんと一緒に移住して実現しました。現在は平飼いで鶏を飼いながら、野菜を育てています。
「鶏のエサには、淡路島で採れたお米や米ぬか、畑の野菜を。鶏舎で出た鶏ふんは、畑の肥料にしています。小さく循環する農業がやりたかったんです」
雄太さんと咲さんは、大学の少林寺拳法部で出会い結婚。雄太さんは大学卒業後食品加工会社に勤めましたが、転職を考えたときに咲さんの希望もあり、2017年に東京からこの地に移住して夫婦で就農しました。
この場所に決めた理由は、島の食糧自給率が100%以上だったこと。瀬戸内海に浮かぶ淡路島は、一年を通して温暖な気候です。農産物も水産物もあって、食がとても豊かな淡路島。島でできたもので農をいとなみ、次の世代に受け継いでいきたい。そう考え、島での循環を大事にしています。
広々とした鶏舎では、鶏が気持ちよさそうに砂浴びをしていました。ゆったりと穏やかな時間が流れています。その足元には、放置竹林の竹を切り出して燻した竹チップが。この竹チップは、発酵させて肥料や堆肥にも使って畑の土づくりをしているそうです。島の循環が育む、葉つき玉ねぎ。環の一部分をいただくような気持ちで、じっくりと味わってみてください。
三崎さんに聞いた、おいしい楽しみ方
丸ごとグリルするのがおいしいですよ、と雄太さんが教えてくれました。そのほか、縦に四つに切ってお鍋に入れたり、ざっくり大きめに切ってグラタンにしたり。ぬた和えもおすすめだそうです。
お客さまのお声
玉ねぎだけど、長ねぎのような葉がついている。まず、そのふしぎな見た目に心奪われました。玉も葉もやわらかくて甘く、サラダやソテーなどシンプルな調理がとびきりおいしい!夫のお酒のお供につくったポン酢ソテーは、大好評でした。葉のぬめりが、ぬた和えにもぴったり。「ひとつのお野菜で、ふたつの野菜のおいしさ」が、新しく楽しく、お料理の幅をひろげてくれました。(坂ノ途中アンバサダー @aotoai.kurashi さん)
葉つき玉ねぎのおいしいレシピ
「淡路島の葉つき玉ねぎ」を主役にしたお野菜すき焼きです。お肉を入れなくても満足感のある食べごたえ。お好みで、しいたけや白菜、お豆腐などの具材を加えても美味しくいただけますよ。
玉ねぎの葉の香りを油にうつして、ドレッシングに。お酢をきかせてさっぱりといただきます。
葉つき玉ねぎのサクサクとした歯ざわりを残すように、煮るときはさっと短めに。
やさしい味わいとみずみずしい食感をお楽しみください。
ほかにも、葉つき玉ねぎを使ったレシピをご紹介しています。
どうぞ試してみてください。