元気をくれる、あざやかなビーツ
三千院や寂光院などの古刹が点在する、山に囲まれた静かな里、京都市左京区大原。ブラジル出身のヴァギネル・ブラヤ・ゴメスさんと京都出身の恵さんのご夫婦が営むごめす農園さんから、色あざやかなビーツをお届けします。
ころんと丸いかぶのような形ですが、ヒユ科のお野菜、ほうれんそうの仲間です。恵さんが以前仕事をしていたスペインをはじめヨーロッパや、ヴァギネルさんの故郷ブラジルでは親しまれているお野菜ですが、日本ではあまり見かけません。「自分たちらしいものをつくろう」そうコンセプトを決めてスタートしたごめす農園。馴染み深いビーツを育てはじめ、いまでは看板野菜のひとつになりました。
ビーツは年に2回、収穫期があります。6月ごろから収穫する夏ビーツは、日をたくさん浴びるので大きくなるのが早く、やわらかい肉質が特徴。11月ごろから収穫が始まる冬ビーツは、寒さのなか、ゆっくりじっくり生長し、糖分をしっかり蓄えています。
つくり手のこと
ごめす農園 ヴァギネル・ブラヤ・ゴメスさん、恵さん(京都府京都市)
大原は、山あいの小さな農村です。2007年ごろから徐々に移住して就農する人が増え、いまでは畑を借りるのも難しいほど。大原は昼夜の温度差が大きく、とくに冬はぐっと冷えて氷点下になることもしばしば。「気温差が野菜の味を引き出してくれるんです。大原の野菜はどれを食べてもおいしい」お二人はこの土地に惚れ込み、2017年に移住しました。
借りることができたのは、決して条件のいい畑ばかりではありませんでした。以前の持ち主は農薬なども使う一般的な農法だったため、残留農薬の検査や放射線量の検査も行ってから土づくりをスタート。
はじめは土がカチカチで、耕すのも大変だったそう。肥料を土に入れて、微生物が活発に活動できる環境を整え、お野菜の種を播く。栽培をすることで土づくりも進んでいきました。京都のそば粉屋さんから蕎麦がらを、コーヒー屋さんからコーヒーかすを譲り受け、畑に撒いて土の通気性をよくするなど、いろいろな工夫を重ね、少しずつ土はふかふかに。いまでは畝のあいだを歩くと足が沈むほどやわらかい。土のなかで大きくなるビーツにとっていい環境です。
お野菜は、その土地の風土だけでなく「つくり手との相性」も大事とよく言われます。試行錯誤の結果、育てるのをやめたお野菜もあるそうですが、ビーツはお二人と相性ぴったり。いつも安定して、ジューシーでおいしいビーツを届けてくださっています。
おすすめのビーツレシピ
ビーツの甘みたっぷり。鮮やかなピンク色がきれいなポタージュです。
ビーツは下処理をせずに使うので簡単にできますよ。
華やかなピンク色のポテトサラダ。食卓の彩りに、またお弁当にいれてもきれいです。
ビーツの甘さを生かした可愛いマフィン。豆乳や米油を使っているのであっさりとした味わいです。
ちょっとしたおもてなしにもぴったりです。
ほかにも、坂ノ途中スタッフが考えたビーツのレシピをご紹介しています。試してみてくださいね。