自他共に認めるトマト好きなのですが、この仕事に就くまで夏の野菜だと思い込んでいました。そうなんです、夏が旬とは言えないんです、トマトって。

原産地は南米アンデスの山岳地帯。暑すぎず寒すぎず、乾燥した気候をトマトは好みます。だから、猛暑で降水量も不安定な近年の日本の夏はとくに、トマトが育つにはとても厳しい環境。北海道や長野などの寒冷地では秋に栽培していますが、去年は秋になっても暑く、大不作でした。

とはいえ冬は気温が低く、寒い地域ではハウスで暖房を使う必要があります。持続可能な社会を考えると、化石燃料に頼る加温方法は極力避けたい。トマトが耐えられる気温を冬でも下回らないのは、日本では(今のところ)沖縄くらいです。冬の沖縄は、まさに寒すぎず暑すぎず。じっくりゆっくり育った今の時季のトマトは、ほんとうにおいしい!

気候変動の影響を一身に受ける生産者さんたちと、どこで、どの時期にどの野菜をつくり、どうお届けすればお客さまに喜んでもらえるか、私たちもいっしょに考え、悩み、ベストを模索しています。ご利用いただいているみなさまからのご感想も参考や励みになりますので、お聞かせいただけたらうれしいです。

●産地担当 横澤真弓

毎週木曜日に産地担当スタッフから、お野菜のこと、生産者さんのこと、農業のことなどをお伝えいたします。
お届けするお野菜や果物を、より身近に感じていただけましたら幸いです。