放射能に対する取り組み

坂ノ途中の放射能対策について

坂ノ途中の放射能対策についての考えかた

大震災・原発事故と坂ノ途中のこれまで。

2011年3月に起こった福島第一原発の事故により、日本中が大きな影響を受けました。これまで坂ノ途中は、深刻な被害に遭った地域の方々をお手伝いすべく、農地が汚染されてしまった農家さんの関西への移転をサポートする「ハローファームプロジェクト」を展開したり、東北・関東のお客さまへ京都からお野菜をお届けしたりすることによって、その影響と向き合ってきました。

当事者として、起こったことにむきあう。

いっぽう、自分たちが扱っている関西産を中心としたお野菜についても、「放射能検査はしていますか?」というお問い合わせをいただくことが増え、自身も当事者として事故の影響を正しく把握する必要性を感じるようになってきました。関東・東北地方では民間の測定所が多数立ち上がり、放射能を測定することが身近なものになりつつあるのに対し、関西では高性能の測定機がほとんど身近になく、汚染の実態の把握さえ進んでいないのが現状。関西での汚染の危険性はきわめて低いと言われているとはいえ、いったいどの程度汚染が起こっており、どんな対策が必要なのかもわからないのが悩みでした。同じ「関西から高い品質の食べものをお客さまにお届けしたい企業」として、そんな悩みを共有する株式会社山田製油さんとともに、自分たちで測定機を導入することになったのです。

いま、京都で土壌とむきあう意味。

福島第一原発事故の影響もはっきりとわからないままですが、京都は若狭湾に林立する原子力発電所からの距離も近く、それらが稼働している限り、脅威にさらされ続けているということもできます。福島第一原発事故によって原子力発電所の安全性の脆弱さが明らかになったいま、環境とかかわるひとつの企業として、この影響を見つめ続ける必要を感じています。

これからのことをともに考えてゆくために。

放射能は目に見えず、簡単にはなくならない厄介な存在。本来ならこんなに身近になるはずのなかったものです。それだけに、今後どうやって付き合っていけばよいのか、わたしたちにもわからないことだらけです。お客さまや提携農家さんたちと密にやりとりしながら、みなさんと一緒に考え、できる限り納得できる対策のありかたをともに模索したいと考えております。みなさんのご意見も、ぜひお聞かせください。

坂ノ途中の放射能検査体制について

関西では例のない高性能機種を導入

GDM-20 坂ノ途中が山田製油さんと共同で導入したのは、スウェーデン・Gammadata Instrument社製「GDM-20」。 同シリーズの中でも最も高い精度を誇り、大学などの専門研究機関にも導入されています。 測ることのできるおよその最低値・検出限界も低く(理想的な環境下で90分測定した際、2Bq/kg)、原発事故の影響をしっかりと見極めることのできる機器です。

スタッフも自分たちで学習+専門家との連携

導入にあたって、担当スタッフは専門的な講習を受け、「第3種放射線取扱主任者資格」を取得しています。また、東北や関東で既に開設されている民間の測定所に直接足を運び、そこから得た知見をもとに、スタッフ同士で機器の種類や運営の体制について協議しました。それぞれ勉強したことを持ちよって社内で勉強会を開いたり、農家さんと意見を交換したりと、準備を進めました。また、大学等の研究機関に所属する専門家の方々ともやりとりし、アドバイスを仰いできました。時間と労力はたっぷりかかってしまいましたが、自分たちがまずしっかりと理解し、農家さんにもお客さまにもきちんとご説明できる体制を整えてきたのです。

よくあるご質問

Q. なぜ野菜そのものではなく土壌をはかるのですか?
A. より早い段階で汚染を食い止めるためです。
―坂ノ途中の扱う野菜は年間数百種類にものぼり、さらに農家さん別に考えると、検査は数千回もの単位になります。野菜を測ろうとしてもこれらを直接ひとつずつ測ることはできないため、断片的なサンプル検査になってしまいます。そのため、よりいっそう根本的な対策として、農家さんごとに畑の土壌を測定しています。より早い段階で汚染を発見し、より効果的にその原因をつきとめることができるのです。

Q. なぜ検査機関に依頼せず、自社で検査を行っているのですか?
A. 自分たちも検査結果をきちんと把握してお伝えできるようにするためです。
―検査機関に依頼すると測定結果が返ってくるまで非常に時間がかかるため、適切なタイミングで検査を行うのが難しくなります。また、結果だけを通知される場合が多く、測定の条件等の細かなデータを自分たちで把握できないこともあります。間違いなく検査を行い、自分たちでも検査の内容を理解したうえでお客さまにお知らせできるよう、山田製油さんとの協力体制のもと、自社での測定機器導入に踏み切りました。

Q. すべての農家さんの土壌を検査しているのですか?
A. 地域ごとに検査しています。
―農家さんが分布している地域を網羅できるような順番で検査していっています。農家さんと話し合い、結果をお返ししつつ進めているので時間はかかりますが、その場限りの検査だけに終わることなく、今後の予防策も含めたより根本的な対策になるように行っています。

Q. どんな機械で測定しているのですか?
A. ヨウ化ナトリウムシンチレーション式の測定器の中で、最高レベルの性能のものです。
―導入したのはスウェーデン・Gammadata社製の“GDM-20”。ヨウ化ナトリウムシンチレーション式の中では最高レベルの性能を誇り、同じGDMシリーズの中でも最も検出限界が低く、食品や土壌の検査に適したものです。

Q. どうやって機器を選んだのですか?
A. 専門家の意見と、既に測定を行っているところからの情報をもとに選定しました。
―機器の選定にあたっては、専門家や複数のメーカー、代理店から情報を集めました。またスタッフが自ら各地の測定所や測定を行っている企業に足を運んで得た知見から判断して選びました。

Q. 「ND(不検出)」ということは、放射性物質がゼロなのですか?
A. 必ずしもゼロとはいえませんが、限りなく低い値です。
―坂ノ途中が使用している測定機器で土壌を測定した際のおおよその検出限界は10Bq/kg(※理想的な環境下で約90分測定した場合)で、この値以下のものを「不検出」としています。検出限界以下の数値の放射性物質が含まれている可能性があるため、必ずしも「ゼロ」とは限りませんが、仮に含まれていたとしても、土壌中の放射性物質の含有量としては非常に低い値であるといえます。

Q. きのこは放射性物質を吸収しやすいと言われているので不安なのですが?
A. きのこの産地と原料を厳選し、さらにきのこ本体の検査も行っています。
―坂ノ途中からお客さまにお届けしているきのこは、すべて関西以西が産地で、いずれの生産者さんも地元で手に入る資材(「菌床」もしくは「ホダ木・原木」)を使われており、福島第一原発事故由来の放射能汚染の影響は受けにくいものと考えられます。また、きのこ本体の放射能測定も実施しており、現時点で検査しているきのこすべてについて、検出限界5Bq/kg以下の精度で「不検出」との結果が出ています。

Q. どういうときに検査を行っているのですか?
A. 土壌に変化が起きたと思われるタイミングで適宜再検査を実施します。
―畑を含む地域で放射性物質が含まれていることが疑われる廃棄物(いわゆる「被災がれき」など)の焼却が行われたり、出どころがわからない外部資材(鶏糞・牛糞などの有機肥料)を畑に投入したりといった、放射性物質の含有量に影響が及ぶことが考えられるできごとがあった際には、農家さんと相談して再測定を行います。

お問い合わせ

放射能対策に関するお問合せは、お問い合わせページより、 件名に「放射能測定について」と書いてお問い合わせください。

放射能測定結果

2012年7月以降、関西から九州までに広がる提携農家さんから 約30箇所の農地の土壌のサンプルを集め、「I131」「Cs134」「Cs137」の測定を行っていますが、検出限界10Bq/kgの条件下で放射能が検出されたサンプルはありませんでした。

最終測定日:2015年1月26日