【2022年産】児島さんが自家採種しているお米(玄米)
在庫切れ
販売開始予定日未定

・生産地 京都府

・栽培基準 栽培期間中、化学合成農薬、化学肥料は原則不使用。坂ノ途中の取り扱い基準についての考え方は、こちらをご確認ください

・ご注意点 商品ページ下部をご確認くださいませ

お米らしい素朴な味わいを承け継ぐ

大粒であっさり。噛むほどにじんわり、お米らしい甘みがひろがる。和食の煮炊きものやお浸し、味噌汁と合わせると、しみじみと美味しい――。日々のごはんを支えてくれるような、素朴な味わいのお米です。
つくり届けてくれるのは、京都府南丹市園部町で農業を営む〈京のべじ〉児島光さん。食べものやエネルギーの自給自足、循環する暮らしを求めて、2012年に園部町に移り住み、就農されました。
米づくりを始めたばかりの児島さんはあるとき、近くの田んぼに育つ「旭(京都旭)」という在来種のお米に興味を持ちます。旭は、ササニシキやコシヒカリといった品種の遠い先祖にもあたり、100年以上前から品種改良されずに承け継がれてきたお米です。
粒が大きく、稲の背丈が高い、植物としての強さをもったお米に惹かれた児島さんは、ほんのひと握りの種もみを譲り受けて栽培を始め、その後毎年種とりをして少しずつ量を増やしてきました。

つよい生命力のある、昔ながらのお米

「育っている姿、稲の勢いがほかの品種とは全然違う。手間はかかるけれど、育てるのが愉しいんです」と話す児島さん。
今では、甘みのあるお米が好まれ、機械の使いやすさのために、粒は小さく、稲の背丈は低いものへと、人間のニーズに合わせた品種改良が進んでいます。けれども、昔はその逆。甘みはおだやかで、粒は大きく、稲の背丈は高いものでした。
昔ながらのお米は、稲刈り機や選別機などの使い勝手は悪く、非効率で、つくり手にとっては手間がかかります。贅沢な甘みはないかもしれません。しかし、稲が大きいぶん、根っこをしっかり張って土の栄養分を取り込み、少ない肥料でもよく育ちます。また、大粒で粘り気の少ないお米は、ひとくちで滋味豊かなおいしさを感じられます。

稲をよく観察し、すこやかに育てる

「稲が元気そうに育っているのは見ていて気持ちがいい。そういうお米は、美味しいと思うんですよ」。
どうやったら美味しいお米が育つのか訊いてみると、児島さんは少し考えてから、そう答えました。
「稲が健全に育つように、観察して、分析して、実験する。すこやかに育っているところをよく見て、ほかの田んぼでも実験してみたり。草が勢いよく生えていたらお米もなかなか育ちにくそうにするので、草を抑えるための工夫をしたり。除草はできているけれど、なんだかイマイチというときは土を調べます。そうすると、マグネシウムやカルシウムが足りていないといったことが分かり、土に栄養を与えたらいい感じに育っている! とか。そんなふうに、いつもお米の表情を見ています。農家は観察するのが仕事みたいなもんですからね」。

 

人手がないから田んぼを継いでほしい、と周りから言われることも多くなり、栽培面積も少しずつ増えてきました。全ての田んぼが同じ条件ではないので、それぞれに合わせた育て方の工夫をしています。
草取りは圃場に合わせて、2つの方法を取っています。ひとつは、冬のあいだ田んぼに水を張り、何度か代掻きをしてとろとろ層をつくり、雑草が発芽しないようにする冬季湛水(とうきたんすい)という方法。もうひとつは、田んぼに合鴨を放し飼いにして除草する農法です。
比較的農作業の少ない冬場に草対策ができるよう、水を入れられる圃場はできるだけ冬のあいだ水を張ります。冬季湛水は、除草ができるだけでなく、田んぼに微生物が増えて、お米の生育もよくなるから、好きな農法だと教えてくれました。

自給自足の暮らしと、今

児島さんは、兵庫県高砂市に生まれ、大きな会社の工場が立ち並ぶ工業地帯で育ちました。化学物質などの影響でからだにアレルギーもあったことから、中高生のころから将来は自然の豊かなところへ住みたいという思いを持っていました。農業に興味を持ち、大学卒業後は有機農業法人で働き始めたものの、思い描いていたイメージとのギャップに思い悩むことに。ちょうどそのころ、東日本大震災が起こりました。これからの生き方を考えたとき、自給自足の生活ができるようなところで暮らしたいと思い、現在の京都府南丹市園部町へ移住。
最初のころは、野菜や米、味噌や醤油といった食べものの自給だけでなく、天ぷら油で車を走らせたり、アルミ板でお湯を沸かしたりとエネルギーの自給にも積極的だったものの、数年が経ち、自分でできることには限界があるのではないかと感じ始めていました。
そんなときに出会ったのが、お野菜の販売を通して関わるようになった、身体や精神に障がいを持った人たち。農作業を彼らに手伝ってもらうようになって、農園での雇用が拡がりました。学校に行けない子どもたちが手伝いに来てくれることもあり、彼らが心を落ち着ける場所にもなっているようです。
「働きやすい職場をつくって、うちでしか働けないひとがうちで働くことで自分の力を発揮できるようになるなら、意義があるのではないかと思って。畑で楽しく働いてもらうというのが、今はモチベーションになっています」と児島さん。
営農スタイルを変えながらも、信念を持って農業と向き合う姿が印象的でした。
実は、3人の子どもをひとりで育てているお父さん。家事をこなし、子どもをサッカーの練習に連れていき、畑仕事をして……なんてパワフルなのでしょう。
そんな児島さんに訊いた、このお米のおすすめの食べ方は、まるまる楽しめる玄米ごはん。とくに小豆と一緒に炊くのが美味しいんだとか。腹持ちがいいから、食費の節約にもなるんですと笑って話してくれました。

ご注意点

■玄米の調製年月日について

玄米には裏面の品質表示ラベルに調製年月日を記載しております。
調製年月日とは、農家さんがもみすり(稲もみからもみ殻を取り除いて玄米にする作業)をした日付のことです。
年に1度のお米の収穫に合わせてもみすりをする農家さんが多いため、調製年月日には稲刈りのころの日付が記載されていることがほとんどです。
玄米は、白米と違って、長期保存してもほとんど劣化しませんので、調製年月日から時間がたっていても品質には問題ございません。

 

■未検査米について

未検査米とは、品種や銘柄についての検査を受けていないお米のことです。
品種銘柄検査を受けていないと、品種名、産地、産年を袋に記載できないというルールがあります。
この検査は、食味や農薬使用の検査ではありません。ですから、検査の有無によって品質が変わるということはありません。
坂ノ途中では品種銘柄検査を重視していません。
見かけることの少ない品種のお米や、農家さんが自家採種されているお米、「検査にお金使うのはイヤやわ」というポリシーの農家さんのお米については、未検査米を扱うこともあります。

 

■小石や種の混入について

坂ノ途中がお取り引きしているお米農家さんやその精米所は大規模とは言えません。大手の精米所で用いられるような高性能な選別機を使用していないことがほとんどです。そのため、丁寧に選別はしているものの、稲刈り時の小石や、クサネムと呼ばれる雑草の種(小さな黒い粒)がお米に混ざってしまうことがございます。
お米の品質には問題なく、お米を研ぐ際に取り除いてお召し上がりいただければと思います。気になる状態でしたら、お手数ですがご連絡くださいませ。

 

■お米の保存について

虫などの侵入を防ぐために倉庫の管理や選別機でのチェックを丁寧に行っていますが、まれに「コクゾウムシ」と呼ばれる虫がお米の中に入り込んでしまうことがございます。
虫は、畑ではなく収穫後に侵入し、お米に産卵して増えていきます。虫が侵入したお米がひと粒でも入ってしまうと、特に常温保存では短期間で増えてしまうことがございます。
気温が20度を超えると活動が活発化し、お米の中から羽化しますので、気温の高い時期は必ず冷蔵庫で保存し、できるだけ短期間で(お届けから30日を目安に)お召し上がりくださいませ。