季節は、だんだんと秋に。ほっくりやさしい甘みのお野菜や、コクのある風味のお料理が食べたくなる季節です。ワインも、ふくよかな味わいのものをあわせたい気分。
10月の2本は、フランスとポルトガルから届いた、秋にぴったりな赤ワインです。

フランス、サラダンのロイはやわらかで品のよい味わい。どこか、木々が赤や黄色に染まった秋の風景を思わせます。
ポルトガル、エスポランのモンテ・ヴェーリョはブドウがぎゅっと詰まったようなジューシーさで、ブドウの季節にこそ楽しんでいただきたくて選びました。

印象は違えど、どちらも秋を感じさせる赤ワインです。

■ドメーヌサラダン　ロイルージュ2020

グラスに注いで少し空気に触れさせると、ふんわりといちごのような甘い香り。
ひと口含むと、香りそのままの果実感、そのなかに、赤ワインらしい渋みも感じます。
上品な味わいで、かぼちゃのサラダや、きのこのソテーなど、野菜のやわらかな甘みや旨みを感じられるお料理と合わせるのがおすすめです。

ワインの名前「ロイ」は、つくり手であるサラダン姉妹のお父さんの名前をとってつけられました。フランス人男性の名前「ルイ」の、南フランス・プロヴァンス地方での呼び方です。

～木下インターナショナル　ソムリエ・館農さんより～

長かった夏も過ぎ去って、全ての景色が秋色を深める時期に相応しいワインです。産地はフランス中部のコート・デュ・ローヌ地方。濃厚な赤ワインの産地として有名です。なかでもサラダンの畑は、標高が高く涼やかな地域のため、果実味と酸味のバランスが心地よいワインが生まれます。農薬を使わず有機栽培で丁寧に育てられたブドウは、果汁自体に見事な味わいがあり、余計な物を加えないことで美しく透明感のあるワインに仕上がっています。

■エスポラン　モンテ・ヴェーリョレッド2022

ブドウをぎゅっと搾ったような、ジューシーな赤ワイン。
しばらく空気に触れさせると、まろやかでふくよかな味わいに。秋らしい、果実味溢れる一本です。
合わせたいのは、味噌を使ったコクのあるお料理や、甘辛い味付けのお料理。さといもの味噌チーズ和え、バルサミコを足して少し洋風にしたきんぴらなどと相性がいいです

～木下インターナショナル　ソムリエ・館農さんより～

ポルトガルは、国民一人当たり年間50L超！　世界一のワイン飲み大国です。日本人より魚介の消費量が多く、ヨーロッパ最大のお米消費国でもあります。勿論、お肉もしっかり食べます。そんなポルトガル人が認める国民酒と言えば「モンテ・ヴェーリョ」と言っても過言ではありません。気の利いたカフェからテーブルクロスの掛かったレストランまで、様々な場所で楽しまれています。オーガニック栽培の拡大により、更に美味しくなった味わいをお試しください。

■ドメーヌ　サラダン

〈サラダン〉はフランス、南ローヌの北端に18haのブドウ畑を持つ小さな醸造所。歴史は古く、1422年からブドウづくりを行っていたことが、村の公文書に記されています。
彼らのブドウ畑には、一度も化学薬品が使用されていません。理由は、「誰も農薬を売りに来なかったから」。昔からずっと残る自然環境でのブドウ栽培が、今も引き継がれているのです。
現在ワイン造りを担うのは、21代目のマリー・ローランスさんとエリザベットさん姉妹（写真中央のふたり）。父・ルイさんの「ワイン造りは知識だけではなく感じることが大切。ワインが語りかけてくる声を聞け」という教えのもと、代々築かれたワイン造りの伝統の上に、最新技術からの学びや、自身の新たな感覚を融合させ、純粋で美しいワインを生み出しています。ナチュラルでピュアな〈サラダン〉のワインは、フランスでも注目を集め、ミシュラン3ッ星レストランをはじめ、各地のワインショップでも取り扱われています。
2010年に、現地の有機認証エコセールの認定を取得。ただし、ラベルには記載していません。有機認証をラベルに書きたいといった姉妹に対して、父・ルイさんは「我々は600年以上も前から同じようにブドウを栽培してきたので何も変わっていない。農薬を使っている生産者が農薬使用とラベルに書くべきだ」と反対したそうです。

■エスポラン

アレンテージョは、ポルトガルで近年最も注目されているワイン産地。この地域で中心的な役割を担ってきたのがエスポランです。2012年から、有機栽培、減農薬栽培に転換をはじめ、2020年には所有する700haの広大な畑すべてで、オーガニック認定を取得しました。この年に、「Slow forward：ゆっくりとした前進」を方針として掲げ、自然と共存することを大切にワインを造っています。
広大な土地で認定を取得・維持するのは簡単なことではありませんが、自社だけにとどまらず、ブドウを仕入れる契約畑でも、減農薬栽培を推進し、アレンテージョ地域全体を持続可能な農法に転換することを目指しています。

～届いたら～
ワインの保管温度は16℃くらいが理想です。専用のワインセラーが無い場合は冷蔵庫の野菜室へ。室内の低い位置に、横になるように倒して保管するのがおすすめです。冷蔵庫のドアポケットは温度変化が大きいので、長期保管は避けてください。

～飲む前に～
■ドメーヌサラダン　ロイルージュ2020
飲む1時間ほど前に冷蔵庫から出して、すぐに抜栓して置いておきます。ワインの温度を少し上げ、空気と触れさせることで、ワインの香りが開いてよりおいしく飲んでいただけます。飲み頃の温度は12～14℃。空気に触れて変わっていく香り、味わいをお楽しみください。

■エスポラン　モンテ・ヴェーリョレッド2022
飲む10〜15分前に冷蔵庫から出して、すぐに抜栓して置いておきます。ワインの温度を少し上げ、空気と触れさせることで、ワインの香りが開いてよりおいしく飲んでいただけます。飲み頃の温度は13～15℃。空気に触れて変わっていく香り、味わいをお楽しみください。

■ドメーヌサラダン　ロイルージュ2020
・品名　ワイン
・原産国　フランス
・内容量　750ml
・アルコール分　14.0％

■エスポラン　モンテ・ヴェーリョレッド2022
・品名　ワイン
・原産国　ポルトガル
・内容量　750ml
・アルコール分　13.5％

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