愛媛育ちのはなやかな紅茶
花や果実を思わせるような、香り高さとすっきりとした甘みのある、べにふうきの紅茶。愛媛県のほぼ真ん中に位置する内子町の山あいに茶畑と工房を構える〈にのらく茶園〉さんからお届けします。
べにふうき(紅富貴)は、紅茶向けにつくられた日本生まれの茶品種。ダージリン系とアッサム系の茶葉を交配してつくられ、ダージリンの香り高さとアッサムのコクや甘みを合わせ持っているのが特長です。和紅茶には、やぶきたなど緑茶品種の茶葉を発酵させてつくられているものもあるなかで、紅茶品種であるべにふうきでつくる紅茶は、より紅茶らしく上品な香りと味わいを楽しめます。
茶畑では農薬や化学肥料を用いず、土地の力を活かした栽培をしています。余計な肥料分を入れないことで、えぐみや渋みが少なく穏やかに。すっきりと上品な茶葉の味が引き出されます。
春摘み・夏摘み・秋摘み、味わいの少しずつ異なる3種を、年ごとの個性も見極めながらバランスよくブレンドしています。まずはストレートで茶葉の風味を楽しんで。ミルクと合わせても美味しくいただけます。
おいしい淹れ方

にのらく茶園さんおすすめのホットティーの淹れ方をご紹介します。
ホットティー(ティーカップ2杯分)
1)湯を沸かします。ティーカップとポットは湯を入れて温めておきます。
2)温めたポットに茶葉4gを入れます。
3)沸騰した湯300mlを注ぎ蓋をして3~5分蒸らします(細かい茶葉は短め、大きめの茶葉はやや長めに)。
4)ティーカップに注ぎます。最後の一滴に旨みが凝縮されているので、注ぎきるようにします。
スタッフのおすすめは、茶葉がジャンピングするように十分な大きさのティーポットを使い、3分で茶葉を取り出すこと。紅茶本来の香りや旨味をしっかりと引き出せます。
つくり手のこと
にのらく茶園 東 晃佑さん(愛媛県内子町)
先代の安岡さんが営む〈茶工房二の楽〉(現・にのらく茶園)を東さんが継承したのは2021年のこと。
茶農家になる以前は、フェアトレードショップで働いていた東さん。趣味でアースデイイベントの運営にも携わっていました。そこに出店していたのが安岡さん。53歳のときに脱サラし、地元の内子町に戻って第二の人生の楽しみという意を込めた茶工房二の楽をはじめ、べにふうきの有機栽培と加工、販売を行っていました。
10年近く、運営者と出店者としての関係を築いてきたふたりですが、あるとき東さんに「茶園を継がないか」と声がかかりました。もちろん決断は容易ではありませんでした。けれども、安岡さんがつくってきた自然豊かな畑を自分が継がなかったら終わってしまう。これまでこのお茶を飲んできたお客さんたちの想いもある……。そう考えた東さんは、「僕がやるしかない」と、茶園を継ぐことを決めました。
にのらく茶園が目指すのは、オーガニックが当たり前の世の中をつくること。お茶を淹れる「自分茶」の文化を取り戻し、やさしい時間をたくさん生み出すこと。
豊かな香りのなかで、心あたたまるお茶の時間をお楽しみください。