【7月】エスニック料理にあわせたいアロマティックな2本
7月、いよいよ夏本番。暦のうえでは7月23日に「大暑」を迎え、本格的な暑さがやってきます。今月選んだのは、暑い日に食べたいエスニック料理と相性の良い、アロマティックな白ワイン。食欲を掻き立ててくれるスパイスの香りと、ワインの芳醇な香りがマッチして、夏を乗り切る元気をくれますよ。
《スタッフコメント》
「良い香り!」思わず声に出してしまうほど、香り豊かな2本です。
ポルトガルのソアリェイロは、坂ノ途中がワインの取り扱いをはじめて最初に選んだ、思い入れのあるワイナリー。心地よい酸味と果実味のある1本です。
ニュージーランドのソーヴィニヨンブランは、サスティナブルな取り組みに注力するワイナリー、ヴィラマリアのもの。爽やかな味わいが、暑い季節にぴったりです。
旬を迎えた夏野菜とスパイスでつくるお料理を、このワインと一緒に。そんな夏の食卓を楽しんでいただけたらうれしいです。
●吉村友希(ワイン担当)
1| ソアリェイロ アロ(白ワイン)
ポルトガルのワイン産地、ヴィーニョ・ヴェルデを代表するアルヴァリーニョ種とローレイロ種をブレンドしたワイン。二つの品種の頭文字が「アロ(ALLO)」という名前の由来です。果実味がありワインに骨格を与えてくれる味わいをもつアルヴァリーニョ種と、白い花のような香りが特徴のローレイロ種が混ざることで、単一品種では出せない、奥行きのある味わいに仕上がっています。
|ワインの詳細
産地:ポルトガル ミーニョ地方(ヴィーニョ・ヴェルデ) モンサン・メルガッソ地区
ヴィンテージ(ブドウの収穫年):2020年
ブドウの品種:アルヴァリーニョ、ローレイロ
ワイナリー:ソアリェイロ
ボディ:軽い○●○○○重い
アロマ:白い花、柑橘とトロピカルフルーツ
ブドウの栽培について:
このワインに使用しているブドウの40%は自社の畑で栽培したもの。ソアリェイロではおもに農薬を最小限に減らした減農薬での栽培方法をとっており、一部は有機栽培です。60%は、地域のブドウ生産者支援を目的に、近隣の農園から購入しており、必要最小限の農薬や化学肥料を使用する生産者さんのブドウも含みます。
|おすすめのレシピ
ベビーリーフと赤玉ねぎの生春巻き
≫レシピはこちら
|つくり手のこと
ソアリェイロは、アルヴァリーニョワインのトップメーカーとして知られるワイナリー。現在当主を務めるルイス・セルデイラさんと妹のマリア・ジョアンさんのお父さん、ジョアン・アントニオさんがアルヴァリーニョの栽培をはじめたのが1974年、ソアリェイロとしてアルヴァリーニョのワインを出荷したのは1982年のことです。
当時、ヴィーニョ・ヴェルデと呼ばれるこの地方のワインは、酸味が心地よく軽快な微発泡性ワインと評されていて、収穫の翌年には飲んでしまう、フレッシュさを楽しむタイプのものでした。この地域のワインをもっと評価されるものにしたい。そう考えたジョアンさんは、努力の末、アルヴァリーニョ種を使い、果実味に富んだ長期熟成可能な白ワインをつくりあげました。従来のヴィーニョ・ヴェルデのイメージを覆したのです。
それから40年。ソアリェイロはアルヴァリーニョワインを造りつづけ、国内外に広めてきました。まさに、アルヴァリーニョワインの歴史をつくり、ともに歩んできたワイナリーです。
ソアリェイロがあるのは、アルヴァリーニョ種のふるさとミーニョ地方の、ヴィーニョ・ヴェルデ地区モンサン・メルガッソ。大西洋の海岸線から100kmほど内陸にあり、海とのあいだには1,000m級の山がそびえています。この山が海からの湿った風を遮断し、ワイン造りに適した環境をつくっています。また、ポルトガル語の「ソアリェイロ」が意味するとおり、「日当たりの良い場所」でもあります。日当たりがよく雨量が少ないこの地域では、ブドウがしっかりと完熟し、果実味豊かなワインを生み出すことができるのです。

ルイス・セルデイラさん
当主のセルデイラさん兄妹は、持続可能な農業と、産地の味わいをワインに表現することを目指し、自然によりそった農法への転換を目指しています。自社だけでなく、地域のワイン生産の活性化も考え、近隣のブドウ生産者さんと一緒になって取り組んでいるのも、このワイナリーの特徴です。
2| ヴィラマリア アースガーデン ソーヴィニヨンブラン(白ワイン)
切れ味の良さ、ブドウの味をまっすぐに感じられる明確なフレーバー、そして心地よい酸味で世界中で評価される、ニュージーランドのソーヴィニヨンブラン。なかでも著名な産地である南島のマルボロウ地区から、現地オーガニック認証を取得した畑のブドウでつくられたワインをお届けします。清涼感のある味わいと「アロマティック」という言葉がふさわしい芳醇な香りは、夏にぴったりです。
|ワインの詳細
産地:ニュージーランド マルボロウ
ヴィンテージ(ブドウの収穫年):2021年
ブドウの品種:ソーヴィニヨンブラン
ワイナリー:ヴィラマリア
ブドウの栽培:有機認証取得(BioGro)
ボディ:軽い○○●○○重い
アロマ:ライム、グレープフルーツ、パッションフルーツ、レモングラス
|おすすめのレシピ
万願寺とうがらしと厚揚げのトマト煮 ベトナム風
≫レシピはこちら
|つくり手のこと
ニュージーランド南島のマルボロウ地区。国内のワイン生産量の75%以上を占める最大の産地で、特に、この国の白ワインの代名詞、ソーヴィニヨンブランの名産地として知られています。ニュージーランドは南極海に近く、島の南北に背骨のように伸びる山脈の西側では、タスマン海から吹き込む風が雪や雨を降らせます。いっぽう、マルボロウ地区のある東側は、風が山脈に遮られるため陽光に恵まれ、ブドウの栽培にぴったりの気候条件です。気温はあまり上がらず涼しい環境下で、酸を保ちながら成熟するブドウの味わいに特徴があります。
ヴィラマリアは「次世代に残す環境に責任を持つ」という考えのもと、1999年からブドウの有機栽培に取り組み、現在では、自社畑の35%でオーガニック認証(BioGro)を取得。2030年までに全ての畑をオーガニックに転換することを目指しています。
さらに、醸造から出荷に至るまでのプロセスでもサステナビリティを意識しているのもこのワイナリーの大きな特徴です。自然光を利用し電力使用を抑え、水の使用量を削減。また、再生可能エネルギーへの転換、二酸化炭素排出量の削減についても明確な目標を掲げています。ワインボトルには67%リサイクルガラスを使用。その他の資材の調達もワイナリーの22Km以内の企業からおこなったり、ボトルを軽量化したりすることで、CO2排出量の削減にも取り組んでいます。ニュージーランドでは、ワイン産業全体でサスティナビリティを高めようと進めていますが、そのなかでもヴィラマリアは、リーダー的な役割を果たしています。
ニュージーランドのソーヴィニヨンは、フレッシュでハーブを思わせる爽やかな香り。ヴィラマリアは、その特徴を十二分に反映させたワインを生み出しています。有機栽培で丁寧に育てられたブドウを使用することで、味わいに奥行きも感じられます。質の高いワイン造りと、環境に配慮した取り組みが、ニュージーランドのワイン産業育成に多大な貢献をしていると認められ、ヴィラマリアの創業者ジョージ・フィストニッチさんは、英国女王からナイトの称号を授与されました。

ナイト授与
商品詳細
■ソアリェイロ アロ
・品名 ワイン
・原産国 ポルトガル
・内容量 750ml
・アルコール分 11.5%
・添加物 酸化防止剤(亜硫酸塩)
■ヴィラマリア アースガーデン ソーヴィニヨンブラン
・品名 ワイン
・原産国 ニュージーランド
・内容量 750ml
・アルコール分 13.5%
・添加物 酸化防止剤(亜硫酸塩)