美味しいごはんを食べたい。
電気炊飯器、ガスで圧力鍋、薪を使ってアルミ鍋で、これまでいろいろな方法でごはんを炊いてきました。
4年ほど前からは、母からもらった小さな土鍋を使っています。それなりに上手に炊けているかな。
米をごはんにして食べるために、いろいろな工夫が積み重ねられてきたことを、つい最近になって知りました。
普段、わたしたちは、お米を適量の水に浸し、最初に煮てから蒸して仕上げています。これは炊き出し法というもので、江戸時代に考えられたらしい。そうして、かまどがつくられ、そこに嵌め込むために羽釜ができたと聞きました。
それ以前はというと、米を煮ていた。湯取り法という、多めの水を張った鍋に米を入れ、沸騰したら煮汁を捨てるやり方。インディカ米はこの方法がよいそうです。
ほかにも、沸騰させたお湯に米を入れて炊き上げる湯立て法、ピラフやパエリアみたいな料理で用いられる、バターや油で炒めて煮込む炒め煮という方法、もち米からおこわをつくるときには蒸します──ラオスに滞在していたときは、毎日カオニャオ(蒸したもち米)を食べていました。蒸し上がったカオニャオを手でちぎり、きゅきゅっと丸めて口に運ぶ。もちもちでとても美味しかったです。

国、地域、時代で、お米を食べることにもすごく違いがあるのですね。
いろいろ試してみたい、いろいろ食べてみたい。
今、考えているのは、鉄の鍋でごはんを炊くこと。
鉄分不足の解消が目的ともいえるけれど、使ったことのない道具、方法に興味があります。
よさそうな鉄鍋ないかな。

●ますお

*ごはんを炊くのって、はじめてのシチュエーションだと緊張しますよね。
キャンプスタッフの仕事をしていたとき、こどもたち50人分のカレーライスを作ることになりました。
「薪はここ、鍋はこれ、ほな頼むで」
藪のなか、コンクリートブロックで囲われた囲炉裏と大鍋を前に、私ひとり。
カレーは煮込むものだし、味見もできるからそんなに心配はないけれど……今でも夢に見そうなほど緊張した経験です。なんとか炊けてよかったー。