武岡萌(もゆる)

 

草木の葉が青々としげる初夏のころ、坂ノ途中には黄緑色にかがやく梅が届きます。きらきら。
梅が入った箱を開けるとふわぁ~っと舞い上がる、華やかであまい香り。ああ、顔のまわりの空気をこの香りでずっと埋めつくしていたい。
だけれど、梅の実る季節はほんのひととき。どうにかしてずっと楽しめないだろか……
梅玄人の皆さまも、梅素人の皆さまも、さぁ梅のご準備を。皆で梅しごとをいたしましょう。

 

梅しごとの ススメ

もうすぐ梅しごとの季節です。青梅を梅酒や梅シロップに。黄梅は梅干しに。自分でつくると、成功しても失敗しても、愛着が生まれます。出来上がるまでの数か月のあいだ、梅の瓶をみつめてはニヤリ。
わたしたち坂ノ途中スタッフも、各々梅しごとにはげみます。皆でわいわい漬けるもよし。ひとり夜中にひっそりと漬けるもよし。梅の季節を前に、スタッフの梅ストーリーを訊いてみました。
わたし自身は、今年で梅しごと歴5年。毎年梅酒を漬けています。いつもお酒やお砂糖、加えるものの種類を変えているのですが、これまでのマイベストに輝くのは、泡盛×黒糖×バニラビーンズで漬けた梅酒。泡盛と黒糖の相性が良いのは言わずもがな、バニラビーンズと梅の贅沢な香りが加わると、もうそこには幸せしかありません。今年はどんなアレンジにしようか、去年の梅酒を飲みながら考え中。

——————-

梅雨よ、来い

マーケティング担当 松田明日香

 

梅の実がなる頃に降る雨だから梅雨。何かの本で読んだ由来が印象的で、社会人になった年の6月に初めて梅酒を仕込みました。しとしと雨の中たわわに実る梅に想いを馳せながら、昔の人の言葉選びの見事さに感心したのを覚えています。あれから7年、私の梅しごとは毎年続いています。去年はすぐに飲み干した梅酒、今年はもう少し作ろう。梅干しは失敗してしまったから慎重に。そんなことを考えながら、今年も梅雨が待ち遠しいです。

 

——————-

コロコロ丸い小さな子

配達担当 小畠智也

 

淡い色合い。恥じらうような産毛。ぷりっとまるく、コロコロとした小さなかたち。梅って可愛いなと思う。だからそのぶん、秘めたる力にいつも驚かされる。 ひとつひとつを洗って、拭いて、ヘタを取って、さあ、ここから。去年は梅酒(ブランデー+黒糖)と梅味噌。湧き上がってくる香りを嗅ぎ、成熟していく姿を見るたびに幸せになる。今年の子たちは、どう育てていこう。ただいま妄想中です。