こんにちは!インターンの岩本です。
農家さんとお話しすることが好きすぎて、この度坂ノ途中で御世話になることになりました。これからよろしくお願いします!
今回は、亀岡方面の農家さん3軒の訪問レポートをお届けします。

あたご農場さん

まずは、万願寺とうがらしを育ててらっしゃる「あたご農場」さんの紹介です。

あたご農場の小野実さんは、農業高校、東京農大を卒業したのちに某大手コンビニの店長を勤められていて、一人息子を育てるために実家の亀岡に戻り、二年前の研修後、独立されました。
実は小野さんがコンビニ店長から就農した大きなきっかけは、GATT(関税貿易一般協定)に日本が加盟したことと、阪神淡路大震災に考えさせられたからだそう。

「GATTで日本に安い米が入ってきたら農家は潰れてまうし、阪神淡路大震災でも、食うに困った人が亀岡くんだりまで『米を分けてくれ』って来はったとご近所さんが言うてはったの聞いて、僕がやるしかないと思いました。」
亀岡は日本三大霧の名所で、作物を作るのに向いている気候。その激しい寒暖差から霧が濃いために、葉っぱの両面から水分を吸収できて、特に果樹が美味しくできる環境が整っているそう。

「そもそも農業は”人間が初めて行った環境破壊”だと思っていて。
そこに人間の都合を押し付けたりすると、もっと生態系が崩れてしまう。
雑草も好きで生えてるのに、急に押しのけられたら嫌でしょ?(笑)
虫にとっても、雑草よりもっと食べやすい野菜が植わっていたらみんな食べに来るに決まっているじゃないですか。
僕は、あくまで人間は外様、いつも自然に対して頭の上がらない姿勢を貫く。これを徹底していますね。」
訪問したのは万願寺とうがらしが旬の時期。クセもなく美味しく召し上がれます。さっと炒めても、めんつゆに浸けるだけでも、とっても美味しいです!

あたご農場さんからは、冬の間は大根を出荷していただきます!

果樹園 七星さん

果樹園 七星・鈴木真行さんはぶどうをメインに栗、梨などの果樹を栽培されています。

システムエンジニアとして働き詰めの毎日の中で自然が恋しくなり、舞鶴の農家さんを訪ねたのが4年前。
果樹農園の厳しい現状をなんとかしようと移住を決意して、3年前に就農されました。
園内で投入する肥料は、なるべく自然由来のものがいいとこだわりを見せる鈴木さん。
籾殻と合鴨の糞を混ぜ3年ほど寝かせた堆肥を使っていて、それでも賄えない分は、果樹にゆっくりと効果のある鶏糞を休眠期である冬の間に施肥しているそうです。
堆肥作りだけではなく、果樹農園を経営するには多大な労力と時間が必要になるんです、と語ってくださいました。

「まず、新規就農で果樹農家になる人なんかいないです。最初の一年は、畑をしながらやらないと食べていけない。
しかも、果物って大きい・見栄えいいってことが重視される世界なので。美味しくなくても3Lの大きさの方が価値あるんですよ。ぶどうもそう、こんなに品種を揃えて農薬・化学肥料不使用で頑張っても、端から見たらただのバカですよ」

果物の糖分は、病原菌や虫にとってはごちそう。甘くするために肥料をどかっと入れることは虫を呼び寄せることにつながるため、一般の農家さんは糖度が乗る前に出荷、もしくは農薬を使うしかないそうです。鈴木さんのように農薬に頼らず育てたぶどうは、小粒であること・傷・病気痕などを理由に選別された時に、売れなくなってしまいます。
それでも、環境に配慮した果樹栽培に挑戦したい!という鈴木さんの想いを届けられるよう僕たちも販売を頑張りたいと思います。 果樹類は随時webで販売する予定なのでご期待くださいませ!

柴田ファームさん

最後に、趣味の家庭菜園から専業農家に転じた柴田ファーム・柴田義雄さん。

野菜を語らせたらうるさいですよと笑う柴田さんは、4年前に農家に転身。『初めての家庭菜園』という本をボロボロになるまで読みながら、全て独学で、今ではなんと120種類の野菜を栽培できるまでに!
ただ、ここまでに至った柴田さんが抱える苦労は計り知れません。「僕はもう余所モンなんで。圃場はバラバラに点在していてまとめて借りられないんです。一方は日当たりが良かったり、悪かったり、土の質が変わったり…それでうまく野菜が育てられなかったりしますね。」

プロとしていかに美味しくて綺麗な野菜を作れるかと奮闘している柴田さんは、障がい者の方を雇用しながら一緒になって野菜を育ててらっしゃいます。障害者さんは、細かい指示が苦手なこともあるので、手間の少ない野菜を多く植えるなどの工夫も。スタッフのことを家族のように思ってらっしゃって作業場には集合写真が飾られていました。

毎日へトへトで手が回りませんよ、と笑いながらも、ネギの一本植えやカブの温室栽培に挑戦してみたり、さまざまな試行錯誤している柴田さん。まだまだ勉強したりない!と、とても楽しそうに見えました。
いつもとてもおいしい野菜を届けてくださる柴田さん。家庭菜園からスタートされたと伺って驚きました。
農家さんのお話を伺っていると農業って本当に奥が深い……と感じますが、最初の一歩に僕もチャレンジしてみたいと思いました。さっそく家庭菜園の本を買ってみて、野菜づくりを始めてみます!