こんにちは!
MOPインターンの小野ゆうきです。
前回のブログに引き続き、7月16日に開催した「おいしい種のはなし〜コーヒーとチョコレートの産地から〜」というイベントの様子をご紹介します!
 

 

*カッピング体験

 

前回のブログで紹介した「カカオ豆からチョコづくり体験」を終え、チョコを冷やしている間に今度はコーヒーを楽しむコンテンツが始まりました。
カッピングとは、コーヒーのもつ甘味や風味、酸味などからコーヒーの品質を総合的に評価するというもので、実際に豆を買い付けるときに行われています。
“Cup of Excellence”という、「最高品質のコーヒー豆」の称号が与えられる品評会では10の項目を基準に評価をします。
今回のイベントでは「”おいしさ”に点数をつける」という体験をすることを目的としていたので、少しシンプルにして「アロマ(挽いた豆の香り)」「甘味」「酸味」「口当たり」「フレーバー」「後味」という6項目から評価をしました。
 

(今回使用したカッピングシート)
 
カッピングで使用したコーヒー豆は、MOPの扱う「ラオスの森コーヒー」「ティピカコーヒー」に加え、エチオピア産で精製方法の違う2種類の豆を比較用に用意した、計4種類でカッピングを行いました。
エチオピア産豆の精製方法のひとつは「ナチュラルプロセス」と呼ばれ、収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させる精製方法であり、もうひとつは「ウォッシュドプロセス」と呼ばれる、コーヒーチェリーの皮を剥き、発酵、水洗いをする精製方法です。
ちなみに、現在MOPの扱うコーヒーはすべてフルウォッシュドで精製されています。
 

(コーヒー豆の水洗所)
 
まず、大きく「ラオス産」と「エチオピア産」を比較すると、すっきり甘味の強いラオスのコーヒーに比べてエチオピアのコーヒーはフルーティで酸味が強いという特徴があります。
その違いだけでも十分おもしろいのですが、例えば同じラオスの中でも北部と南部では大きく異なること、また生産地域は同じでも精製方法のちがう豆を飲み比べることによって、更にコーヒーの奥深さを知っていただきたいと考えました。
カッピングの手順は大きく4つの段階にわけられます。

  1. コーヒー豆を挽いた粉の状態での香りを評価
  2. お湯を入れたときの香りを評価
  3. 4分間抽出したのち、撹拌という浮いている粉を沈める作業をした際の香りを評価
  4. 実際に口に含んで味や風味を評価

最終的に、以上の4段階を踏まえてそれぞれのコーヒー豆に点数をつけることでそのコーヒー豆の品質が決まります。そうして決められた品質が、コーヒー豆の価格に大きく影響するのです。
「つまりコーヒー農家さん含め、そのコーヒーに携わる人たちの一年間の努力が報われるかどうかが、みなさんのひとすすりで決まる。というくらいの気持ちで、今日はカッピングをしてみてください」という安田の言葉で始まったカッピング体験。
じつはカップにはそれぞれの豆の種類は記さず、印だけをつけて最後に発表するという方式にしていたため、はじめは「みんなの評価と全然違ったらどうしよう」「ちがうことはわかるんだけど点数をつけるとなると難しいな…」など、はじめてのカッピングに不安の声も聞こえてきました。
しかし続けている間に、中には「この2種類は同じ個性をもっているような気がするから、同じ国の豆なのかも」という声や、「そっちも美味しいけど、わたしはこれが好き」という声も。
カッピングにおいて、コーヒー豆の品質を評価するのは、人間の嗅覚と味覚。最終的に「個人の好み」が大きな基準になることは避けられません。
たとえば今回も、その豆のもつ特徴の酸味を良いと評価する人も、良くないと評価する人もいたと思います。
コーヒーの価格に影響を及ぼす『品質』は、なんとも曖昧で個人差の大きい基準をもとに評価されています。でもだからこそ、世界中のコーヒー生産者はその土地ごとの”個性”をのばそうといろんな努力をすることができるのだと思います。
1杯のコーヒーには、普段は見えにくい、たくさんのバックグラウンドがあります。そのことを知って、少しでも思いを馳せる人が増えればこれほど嬉しいことはありません。
 

*おいしいを楽しむ

 
長くなってしまいましたが、ついにチョコレートとコーヒーを楽しむ時間です!

「カカオ豆からチョコレートづくり」のコンテンツでみなさんがつくったチョコレートの横には、ラオスの森コーヒーを水出ししたものと、カスカラコーヒーチェリーティーに砂糖とレモン水を足して炭酸でわった「カスカラフィズ」というものを用意しました。
苦労してつくった混ぜもののないチョコレートも、コーヒーの外皮からできたお茶も、初めて味わう方が多く楽しんでいただけた様子でした。
そろそろイベントもお開き・・というところで、Dari Kの吉野さんが手に出したものはなんと、本物のカカオポッド!

つい数日前にフィリピンに出張に行った際、このイベントでどうしても見せたくて持って帰ってきたのだとか。
最後はカカオポッドの中にあるカカオの果肉をみなさんに楽しんでいただきました。
なかなか現地でしか見ることも味わうこともできない果物としてのカカオに、思わず「お〜!」という歓声があがるほど、最後まで盛り上がったイベントでした。
 
こうして、「おいしい種のはなし」は無事終了いたしました。
終わってからも「行きたかったです」という声をいただいて、自分の思っていた以上の人々にイベントが届いていたという事実を知り、もっともっとたくさんの方に届けたいという気持ちがうまれました。
MOPはまだまだ始まったばかり。
これからもみなさまをたくさん巻き込めるようなイベントを企画しようと思っているので、楽しみにしていてください!