こんにちは、くらたです。
ミンミンゼミやアブラゼミ、追いかけてきたツクツクホウシの声に加えて、夜になるとコオロギの歌声が聞こえるようになってきました。関西では、地蔵菩薩の縁日である、地蔵盆の時期。わたしの地元の福岡には地蔵盆の風習がなかったので、町のあちこちでお地蔵さまがきれいに飾られ小さなお祭が行われている様子に、京都に住んだ最初の夏はびっくりしました。
だんだんに秋を感じ始める今の季節の空を「行合の空」と言うそうです。もくもくとした夏の入道雲と、刷毛で描いたような秋の薄雲が出会う、去る季節と訪れる季節を一緒に感じられる空。今週はぐずつく予報のようですが、晴れた日には空を見上げてみたいと思います。
 夏野菜も後半戦、みずみずしく柔らかい初夏のものに比べ、皮や実がしっかりし、味がぐぐっと濃くなってきます!今週は夏の宝石、トマトをピックアップします。生でも火を通してもおいしい、実に多様な食べ方が楽しめる野菜です。甘味と酸味がぎゅっとつまった今の季節のトマト、ぜひ味わってくださいね◎
***トマト***

南アメリカが原産とされる、ナス科の野菜。ナスやジャガイモ、トウガラシなどの仲間です。
大航海時代に南アメリカからヨーロッパへ渡り、日本へは江戸時代に中国から観賞用としてやってきたそうです。食用とされ始めたのは明治時代のこと。明治時代のベストセラー小説、村井弦斎の『食道楽』には「赤茄子」として登場しており、「赤茄子は生が一番美味しい」という一方で、「西洋では、日本料理で昆布や鰹節を使うように赤茄子で味をつける」と書かれています。なんと、トマトソースやジャムの作り方も詳しく解説されています…!100年前にはもう、トマトはそのままでも調味料としても使える重宝な野菜として、親しまれていたんですね。
『食道楽』に既にあるように、日本では生食が一番人気ですが、世界的にみると加熱調理しうまみを引き出して食べることのほうがずっと多いそうです。生でも火を通しても、おいしい食べ方が本当にたくさんあり、トマトづくしでフルコースができるほど。たとえば、トマトのサラダ、スープからはじまり、バゲットにトマトをすりこむパン・コン・トマテ、トマトをくり抜き夏野菜をつめたチーズグラタン、トマトのガーリックソテー、ミニトマトと魚介のパスタ、チキンのトマト煮込み、フルーツトマトのはちみつがけ、でおしまい◎醤油やだし、かつお節との相性もとても良いので、和のおかずもおすすめです!

トマトの魅力はその味わいや香りだけでなく、美しい色やコロンとした形にも大いにあると思います。赤色は栄養・機能面からも注目されているリコピンという色素などによるものですが、リコピンをもたない黄色い品種や緑色の品種、アントシアニンを含む紫色がかった品種もあり、とってもカラフル。形や大きさも、細長いものや筋の入ったもの、大玉中玉、ミニサイズ、さらに小さなマイクロサイズなどさまざま!目でも味わいでも、違いを楽しみながら、いろいろな料理に使ってみてくださいね◎ 
***トマトのおすすめレシピ***
トマトの冷製スープ

【材料】
・中玉トマト ・タマネギ ・にんにく ・塩、こしょう ・オリーブオイル
【つくりかた】
1、トマトのへたを取り8等分に切ります。タマネギ、にんにくはみじん切りにします。
2、オリーブオイルとにんにくを火にかけ、タマネギとトマトを炒めます。
3、トマトが崩れたら10分間煮込み、塩、こしょうで味を整えます。
4、3をミキサーにかけてなめらかになったら、冷蔵庫でよく冷やしてできあがり!
つくりかたはとってもシンプル。トマトの甘味と酸味が濃縮された、夏らしいスープです。
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それでは、また来週!